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ある日の世実

あっつ……。
ねっとりとした空気がまとわりついてくる。
これが毎年のことだっていうのに、よくまあ日本人も飽きずにこんなとこに暮らしてるよね。

茹だった頭の片隅でそんなことを考えつつ、タンクトップに短パンという少女はほふく前進の兵士
さながら扇風機を目指す。ただ、その姿は今から敵地に進入するというより、敗走してきたといった方が近い。
ぐってり。

「ふぅ……」

扇風機の前で一息。
体を起こし、ブーンという音とともに送り出される風を顔いっぱいに浴びる。
高速で回転する四枚羽越しに見えたのは、いつもと変わらぬ自分の部屋だった。

「せみー? そろそろ支度しなさーい」

一階からお母さんの声が響く。
そう、今日はおばあちゃんの家に行く。ほんとに久しぶりだから楽しみ。
細やかな田舎帰りが終われば、9月からは高校生だ。




○以下メモ●
・家族と向き合う
「お前って生きてる価値あんの?」
悪意は身近にある。そういった悪意が一番人を追い詰める
「コミュ障」

「ねえ、生きてて良かったって思う?」


「世実…さん?」
「呼び捨てでいいよ」
「そっそれは……んーと、世実ってさ」
「なんかムカツク」
「どっちだよ!!」
「で、なに?」
「あーもう!世実ってさ、悲しいとき泣く?」
「泣く時は泣くけど? 悲しい時に限らずね」
「そっか、泣けるんだ」
「? 泣くぐらい普通じゃない?」
「あ、いやさ。俺、ばあちゃんの葬式のとき全然涙が出なくてさ。みんなボロボロ泣いてるのに、
なんか一人だけ浮いてる感じでさ」
「それは、悲しかったのに?」
「うん…たぶん」
「ふーん。それってさ、そもそも悲しいって感じなかったんじゃないの?」
「え?」
「それなら、あたしわかる。みんな悲しいって言ってるけど、そんなふうには全く思えないって状況。」

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